母の影

時々自分の性格が
嫌いになることがあった
人は自分のことを
「やさしい」と口にするけど
実際は、やさしさとは違う
「さびしさ」と隣り合わせのコトバ

確かに近くの人に
「やさしさ」を伝えてきたかもしれない
でも、それができたのは、きっと
母の子だったからだろう
自分がそうしているのではなく
母がまるでその近くの人に
あたたかく接しているような

自分でもわかってるんだ
「いいなあ」って
自分も相手側の人でいたかった
相手側で
「やさしさ」を受け止めていたかった

今、我が家では
息子と娘が争うように
妻の胸に顔をうずめている
もう二人とも小4と小2になるのに
そう思いつつも
「母」という存在の大きさに
あらためて気づく

ありがとう、おふくろ
あなたの影は消えない
私の心の中に生きる
そして次の人へつながっていく
「やさしさ」というメッセージとして

そんなあたたかな
母の影を教えてくれてた
ふるさとの夜