ペンが止まるとき

最近ペンが走らないのは
書くことがなくなったせいか
違う
それは違う
書きたいことはたくさんある
悩んだり 苦しんだり
喜んだり 笑ったり
毎日毎日あるんだよ
なのに、ペンが走らないのは、なぜ?

あの日僕は
一人の詩人を困らせていた
「ある日詩が書けなくなる日は来るのか?」
問いつめられた詩人は困っていて
そして問いつめた僕も、困っていた
大好きな詩人のペンが止まること
そして
自分のペンもいつかは止まること

信じたくない
でも、わからない
結局なんて返事をもらったのか覚えてなくて
だけどその帰り道
やわらかく時間が流れていたことを
しっかり、しっかりと覚えている

あの日から多くの歳月が流れ
僕は今日も
ポツリポツリと言葉を書き留めている
思い立ったように
忘れかけた思いを律するように
あのときの答えはまだわからないけれど
ゆっくりゆっくり見つけていきたいと思う

これは
そんな師に送る
大切な詩(うた)なのです−