なまえ
僕は名前にはたくさん
苦い思い出がある
好きではなかった
たくさん、いじめられたから
親だってうらんだ
もうちょっとハリのある
素敵な響きがあったら、ってね
あまり自分の名前について
親から聞いたことはない
次男坊ですでに
アイディアが尽きたかと思いきや
愛する父の意見が
周囲の女性陣に屈したのだそうだ
かわいそうなおとーさん
あなたが好き、ってなかなか言えないように
親も子どもに
あなたが好きってなかなか言えないときもある
だからね
好きって言う気持ちを
さりげなく
子どもの名前に込めているんだと思う
僕も言われたよ、親にさ
じろう、って名前は
元気ですくすく育ってほしいって
そんな願いを込めたって
別に名前なんてどうでもいいのかもしれない
どんな親だって
思いはきっと同じ
元気に育て、と
願っているに違いない
そう信じてるんだ、僕はさ
今、親(ふたり)のもとを離れ
8人の未来(こども)たちと過ごしている
子ども達に
じろうせんせ、とか
じろしゃん、とか呼ばれるたびに
とても幸せな気分になるんだ
とても素敵な響きだから…
そんなわけで
僕は今、幸せです
親父、おふくろ、ありがとう